お知らせ
2024年09月02日
小さな展示室公開中(予科練指定食堂)
阿見町新町地区に「徳島屋」という予科練の指定食堂がありました。徳島屋は「予科練おばさん」として親しまれていた髙井ヤスさんが経営する旅館を兼ねた食堂でした。ヤスさんは昭和の初めに、夫婦で故郷の徳島から阿見町に来て店を開き、昭和14年に予科練が横須賀から移転してから終戦までの7年間、予科練の指定食堂となりました。
週に一度の外出日になると、予科練生がどやどやとなだれこみ、丼物やカレーライスを腹いっぱい詰め込んで、阿見、土浦の町に繰り出し、帰りにはまた立ち寄ってくつろぎました。
これら無邪気な少年たちが、戦場に多く散ったことを聞いて、ヤスさんは夫の死後も徳島屋を自分が生きている限りそのまま保存して頑張ろうと決意し戦後も含め約50年間昔のままの店で頑張りましたが「予科練おばさん」が亡くなった後、徳島屋の建物は取り壊され更地となりました。
今回の小さな展示室では、予科練指定食堂に掲げられていた「看板」と、店内で使用されていた「どんぶり」を展示しています。
どんぶりは現在の陶器とは異なり、かなりぶ厚く作られておりこれにうどんを目いっぱい盛り付けると片手で持ち続けるのも大変だっただろうなあと当時の様子が偲ばれます。