皆さんは、水盃（みずさかずき）という言葉を聞いたことがありますか。

水杯とは、二度と会えないかもしれない別れの時に使います。別れの場で、お互いの盃に水を汲み、今生の別れを惜しみ、水を酌み交わすものです。

特攻隊員は、出撃前に「もう生きて再び会うことはないだろう」という最後の別れを交わし、杯を割って飛び立って行ったのだと言います。

展示している盃は、出陣式で割られ埋められていた盃を密かに持ち帰り、接合すれば息子が生還するのではとつなぎ合わせ保存していた盃です。

裏面をみると、接合面が白く浮かびあがっています。

母親が、子供を思う気持ちがよくわかる展示品だと思います。

（この資料の提供者は、海原会参与　行方滋子　さん　です。）